2025年10月 レジデント便り Vol.98

はじめまして、10月のレジデント便りを担当します令和7年度入局の齋藤翠と申します。

日に日に日が短くなっていく今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

日常の業務には慣れてきましたが、初心を忘れず努力していきたいと考えています。

さて、先日北海道大学で開催された眼腫瘍学会に参加してまいりました。

研修医時代に他科の学会などいくつか参加してきましたが、そのどれとも比べ物にならないくらい活気がありました。毎演題後の質疑応答では議論が白熱しており、圧倒されました。眼腫瘍という生命にかかわる分野で、機能面・整容面などを考慮しながら手術をすることの難しさを改めて考えさせられました。

写真は学会の前日に眼形成分野の先生方とご飯をご一緒させていただいたときのものです。

初対面の先生もいらっしゃいましたが、とても明るく楽しく、眼形成分野の魅力について夜を徹して語ってくださいました。またとない勉強の機会をいただきました。

大学には多様な専門分野のプロフェッショナルの先生がいらっしゃいます。その方々のご指導のもとでこれからもしっかり学んでいこうと思っています。

 

第42回日本眼腫瘍学会 参加印象記

令和7年度入局レジデントの小林建介と申します。
2025年9月20日(土)から21日(日)にかけて、北海道大学にて開催された第42回日本眼腫瘍学会に、当科の清水英幸先生、奥田大志先生、同レジデント齋藤翠先生と共に参加させていただきました。

本学会は「眼腫瘍のフロントライン」というテーマを掲げ、眼腫瘍の臨床および研究における最新の知見が集まる、熱気に満ちた学会でした。会長である加瀬諭先生が挨拶で述べられていたように、1症例をとことん追求する「熱い」「厚い」討論が各セッションで繰り広げられており、眼腫瘍という専門分野の奥深さを肌で感じることができました。

1日目のランチョンセミナーは、眼科のプライマリケアにおいて、眼付属器の腫瘍性病変をいかに早期に疑うかというテーマで、眼科1年目の私にも大変分かりやすい内容でした。眼窩腫瘍を鑑別する多角的な視点、結膜悪性腫瘍を見抜くポイントについて、臨床病理学的な考察を交えながら解説いただき、日常診療に直結する知識を学ぶことができました。
2日目の一般演題のセッションでは、同行させていただいた清水先生の演題「小児の眼窩に生じた巨大器質化血腫の1例」も拝聴しました。本症例に対する多彩な鑑別疾患や疾患そのものの捉え方、外科的アプローチの選択について諸先生方の高度なディスカッションを前に舌を巻くばかりでした。
本学会期間中には、先生方に美味しいラムしゃぶをご馳走になり、北海道のグルメも堪能しました。学術的な面だけでなく、大変充実した2日間となりました。

入局してまだ半年ですが、本学会への参加を通じて、眼腫瘍という専門領域の重要性と面白さを改めて認識することができました。ここで得た貴重な知識と経験を、今後の活動に活かしていけるよう、より一層精進してまいります。

最後になりましたが、このような貴重な学会参加の機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。また、ご多忙の中ご一緒させていただいた清水先生、奥田先生にも、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

第36回日本緑内障学会 参加印象記

令和7年度入局レジデントの長谷川友哉です。2025年9月12日(金)〜14日(日)、神戸で行われた第36回日本緑内障学会に参加しました。会場は終始にぎやかで、臨床と研究がぐっと近づくような、背中を押してもらえる三日間でした。

全体を通して感じたのは、診断や治療を数値だけで決めないことの大切さです。患者さんの生活や背景に目を向け、説明の仕方やフォローの工夫で、同じ選択でも納得感や続けやすさが変わります。その当たり前を、実例のやり取りからあらためて実感しました。医療者同士の連携に加えて、地域の支えにつなぐ視点も、日々の診療をそっと強くしてくれると感じました。

ロービジョンについても、早い段階から「どこで困っているか」を丁寧にうかがい、必要に応じて専門外来や地域資源をご案内する姿勢が大切だと学びました。視力や視野の数値に表れにくい不自由さも、言葉にしていただける雰囲気づくりから始めたいと思いました。外来での自分の関わり方を見直す良いきっかけになりました。

多くの先生方と気さくに意見交換ができ、講演だけでは得られない視点もたくさん持ち帰ることができました。入局して半年の身ですが、今回の学びを外来や手術、そしてロービジョン支援に少しずつ還元していけるよう、これからも丁寧に積み重ねていきます。参加の機会をくださった先生方、業務調整にご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。