はじめまして、7月のフレッシュ便りを担当させていただきます平成28年度入局の鈴村です。
突然ですが、“見え方”というのはどうやって説明できるのでしょうか?今まで見えていた遠くの看板が見えにくくなった。歪んで見えるようになった。霞んで見える。視界から抜け落ちる範囲が出てきた。一口に見えにくくなった、と言っても視覚には角膜・水晶体・硝子体・網膜・視神経などの内眼部組織のみならず外眼筋や眼瞼といった外眼部組織も関わってくるため、これらの組織のうち障害された部位によって出てくる症状も様々です。だからこそ、小さな臓器ではありますが眼科の検査は種類も多く、それぞれ真剣に学ぼうとするとかなり分厚い専門書(枕としては丁度良い)と格闘することになります。
というわけで、易きに流れやすい私はフルカラーで写真や図が沢山載っている解説書で自習を始めたわけですが、一通り勉強はしたものの実際に患者さんを診る上では様々な疑問が出てきます。そんなときは、(忙しい中申し訳ないのですが)視能訓練士の方々に相談しています。例えば、小児の視力測定や斜視角の測定などは実際に測定しているところを見た方が理解も深まりやすいですし、OCTのように広く普及しておりどの教科書にも概要の説明が載っている機器でもそれぞれの種類別での特徴をきちんとまとめている専門書は少なく、現場でどのように使っているのかを聞くことで学べるところは大きいです。忙しい合間でも丁寧に教えてくださる視能訓練士の方々の優しさに感謝しつつ、なんとか外来業務をこなしております。研鑽を積むことも大切ですが、アットホームな環境で働けるというのは本当に有難いことです。
ところで、名大は検査機器にも恵まれており、OCTや眼底カメラが数種類ずつある他、検査対象ごとに網膜電図も使い分けられています(長くなるので各機器に関する説明は割愛します)。どれも高性能のものばかりで、ここから得られるデータを用いて臨床研究もさかんに行われています。視機能検査は眼科の軸となるところですが、初歩的なところから最先端の内容までしっかり学べる環境だと思います。
7月は医局説明会もありますし、名大眼科入局を考えていらっしゃる方は是非見学にいらしてください。