神戸三宮ポートピアホテルで開催されました第68回臨床眼科学会に参加しました。今回宿泊先を確保するのが遅かったせいもあり、私が確認した時には神戸市内およびその近郊には全く宿がなく、仕方なく(?)有馬温泉に宿をとりました。民宿のような宿で、お風呂は外湯に入りました。会場までは1時間弱ほどかかりましたが、温泉につかることもできたので、塞翁が馬といった感じでした。
臨床眼科学会では私は網膜変性疾患のセッションでの一般講演でした。私はOCTに関する演題でしたが、他の演者は遺伝子や抗網膜自己抗体に関連する臨床像についての報告など、演題の種類も豊富でした。1年前に発表した時(2013年東海緑内障の会にて)と比べると、自分でも発表や質問に対して答えられる内容に進歩が見られることを実感いたしました。
発表は初日に終わり、残りの日は他の一般公演やシンポジウムを聞いたり、学術展示を見て過ごしたりしました。今回最も印象に残ったのは、網膜診療に関するシンポジウムの内容で、やはりiPS細胞等を代表とする再生医療、人工網膜や遺伝子治療などの、高度の視機能障害を有する方への治療法の発展とその臨床応用が進んでいるということでした。この9月より私は県立多治見病院に赴任し、臨床の経験を積ませていただいています。その中で高度の視機能障害を有する方、また現在の病状より今後そうなることが避けられないと考えられる方の診療をすることがあります。そのような方にこれまでは(現在でもまだそうだと思いますが)治る見込みがないと、現状維持ですという言葉をできるだけ前向きな言葉でお伝えすることしかできなかったと思います。今後はそういった方々にも更なる治療の可能性をお話しすることができるのかと感じました。これまで助からないであろうと思われた疾患の分野での眼科診療も少し変化していくことが期待され、まだ若輩ながらも今後の未来に希望を感じました。現在大学院生として自身が行っている研究活動など、そういった医療の進歩に一役でも担えるように励んでいきたいと思います。
4日間でしたが、2年前に参加した時と比べると多くの経験と知識の吸収ができたと思います。発表のご指導をいただいた先生や、快く学会に参加させていただいた赴任中の病院の部長先生にもこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。