さる2015年2月28日と3月1日に第19回眼科分子生物学研究会に参加させていただきました。この眼科分子生物学研究会は、温泉旅館に一泊二日で泊まりこみの会で、部屋割りもだいたい同じ年次の人と大学や施設の垣根を越えて相部屋になるというめずらしい試みがなされていました。今回は旭川医大と理化学研究所に留学に来ている韓国と中国の先生と相部屋になり、施設も国籍も研究テーマも違う人たちとの交流はとてもよい刺激になりました。
発表についてもざっくばらんな雰囲気の中、名古屋大学の前教授であり網膜疾患の権威である三宅養三先生が酸素と色素上皮の研究の歴史のお話をされたり、理化学研究所の先生がES細胞から分化させた3次元立体網膜といった最先端の知見をご紹介されたり、どのお話もとても興味深く拝聴させていただくことが出来ました。
一口に分子生物学といっても、原理の解明に重きを置いた本当の意味での“基礎研究”も大切ではあるものの、とりわけ臨床医である以上、臨床に直結しうるトランスレーショナルリサーチの分野に積極的にかかわるべきだというお話、研究マインドを持つ医師が多くいることこそが日本の強みであり、臨床研究・基礎研究はどちらか片方だけでよいわけではなく、医学的真理を解明するための方法論としてどちらも同じように重要であるとのお話には大変感銘を受けました。大学院生としての自分の研究テーマは臨床研究で、分子生物学には大学生の時の実習以来すっかり遠ざかっており、一足飛びにあれもこれも手を付ける訳にはなかなかいきませんが、今後将来を考えるに当たって大変貴重な体験ができました。
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> 第19回 眼科分子生物学研究会