第43回名古屋大学眼科集談会

平成26年12月20日(土)医学部医学系研究棟大会議室にて第43回名古屋大学眼科集談が開催されました。一般講演にて若手の先生方の研究発表があり、活発な議論が行われました。続いて理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダーの高橋政代先生の特別講演があり、「iPS細胞の臨床応用ー基礎研究から臨床へ」というテーマでご講演いただきました。タイムリーな話題であることもあり、他学部の方を含め、多くの参加者が駆けつけました。
特別講演では、まずES細胞とiPS細胞の相違点について述べられた後、加齢黄斑変性に対する網膜色素上皮(REP)移植についてご説明されました。新生血管抜去術の後、失われたRPEをシートにて移植するもので、ヒト胎児RPE移植から始まり、自家RPE細胞移植・自家RPEシート移植と続く歴史を振り返られました。そして、ES・iPS由来移植に関する世界の状況に触れられ、iPSはESと異なり、免疫抑制剤の投与が不要なのが大きな利点になるとのことです。iPS由来RPEシート移植に至る基礎研究的な裏付け・安全性試験を含めた臨床研究までの準備には、膨大な努力をされたことが感じられました。次のステップとしてのiPS由来RPEシート移植、そして視細胞移植に関して触れられたのち、わずかな視機能を最大限に活用するロービジョンケアの重要性をご説明されました。
グローバルな視点をもち、医療界のみにとどまらないご活躍をされる高橋先生の講義は大変刺激的で、10年前には不可能だったと思われた移植に目をつけ走り続けたからこそ現在の研究があるとのお話はとても参考になりました。

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講演後の質疑応答には質問が殺到しましたが、1つ1つ丁寧にお答えいただきました。

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iPS細胞という日本で最も関心の高いテーマであっただけに、
関連病院眼科医だけでなく、他科の医師にも多く出席していただきました。

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集合写真

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講演会後の懇親会にて。iPS細胞の研究のご苦労など貴重なお話を伺うことができました。
後列向かって右端が、現在理化学研究所に国内留学している白井博志先生。
今回、留学記と集談会印象記を書いてもらっています。