平成26年12月1日から2週間、オーストリアのウィーンからの医学部学生Tandis Parviziさんが眼科を研修しました。彼女は最初、神経内科志望で、不器用なため細かい作業が苦手であると言っておりましたが、眼科手術シミュレータの手術練習では、あっという間に手技の向上が見られ、予想外の自分の才能に気づく機会となり、眼科も主要な候補にしたいと考え方が変わりました。ウィーンでの残りの実習では、急遽眼科の2か月のローテーションを組みたい、と言うほどでした。眼科の面白さに気づく一助となれたのは、非常に喜ばしいことです。
以下、眼科研修の感想です。
(浅見 哲)
This December, I had the pleasure of spending two weeks of my internship at the Department of Ophtalmology of the Nagoya University Hospital.
Since this was the first time for me to work in this field, I didn’t know what to expect. Therefore I was just positively suprised and really enjoyed my rotation at this department.
All the doctors were very friendly and helpful and made me feel welcome.
During surgery they tried to explain me every step and once they even gave me the chance to assist during a cataract surgery. Thanks to my well-structured schedule, I could see all different aspects of this field and gained a lot of knowledge by visiting the outpatient clinic and the operation room. In my free time I had the opportunity to train doing suture under the microscope. Furthermore, I was allowed to practise slit lamp examination and fundoscopy. My personal highlight was definitely the VR magic simulator. Under supervision, I had the unique chance of improving my practical skills in cataract surgery and vitrectomy. I was impressed by the precision of the machine, it felt like operating on a real patient. After seeing my interest in these surgeries, the doctors invited me to try cataract surgery on a pig’s eye, which was informative and fascinating.
All in all, I’m really grateful that I had the chance of spending two weeks of my rotation in this department. Not only that I had the opportunity to extend my theoretical knowledge about ophtalmological diseases, but also to actively practise in order to improve my surgical skills. I can just strongly recommend an internship at this department for anyone who is interested in learning more about Ophtalmology.
Tandis Parvizi
翻訳文
この12月に、名古屋大学眼科で2週間のインターンシップを行う機会を得ました。眼科を研修するのは初めての経験だったので、初めはあまり期待していませんでした。ですので、眼科での研修を心から楽しめたことは、いい意味で驚きでした。
眼科のすべてのドクターは、非常にフレンドリーで親切で、すごく居心地がいいようにしてくれました。手術の時には、手術手技を一つ一つ丁寧に説明してくれ、白内障手術の助手にもつかせてもらいました。非常によく練られたスケジュールのおかげで、すべての分野を見学することができ、外来や手術室の見学により非常に多くのことを学ぶことができました。時間のある時には、顕微鏡下での縫合の練習や、細隙灯顕微鏡による前眼部の観察、眼底検査などを行いました。個人的なハイライトは、間違いなく眼科手術シミュレータによる手術練習であり、白内障や硝子体手術の実践的なスキルを磨くことができました。この器械は非常に精密にできており、まるで実際の患者さんに手術をしているかのようでした。このような手術に対する理解が深まり興味が湧いたところで、摘出豚眼での白内障手術練習に誘ってもらいました。この練習も非常に魅力的なものとなりました。
結果的に眼科での2週間の研修は非常によかったと思います。眼科学に対する理論的な知識を深めることができただけでなく、眼科手術手技を磨く機会になりました。眼科について学びたいと思っているすべての人に、この名古屋大学眼科での研修を強くお勧めします。
寺崎教授との記念撮影。右から伊藤准教授、寺崎教授、Tandis Parviziさん、長屋先生、浅見
名古屋大学に昨年導入し、学生、研修医教育に威力を発揮しているシミュレーターを用いて、白内障・硝子体手術の練習をしてもらいました。初めは不器用だから外科系の専攻は考えていないと言っていましたが、意外と上手にできる自分自身の手先の器用さを発見し、同時に眼科への興味が湧いたようです。
シミュレーションの手術練習を終えた後は、摘出豚眼を用いた練習を体験してもらいました。実際の組織を使った手術はバーチャルな練習とは異なり、よりリアルな練習ができます。眼科への興味を深めてもらいました。指導は大学院2年の中西先生、古林先生。実際の手術映像、イラストなどを利用して、非常に分かりやすい実習にしてもらいました。