日本眼循環学会参加記

活動レポートをご覧の皆様、こんにちは。この度、2018年7月20・21日に開催された第35回日本眼循環学会に参加し、口頭発表する機会を頂けましたのでご報告致します。

開催場所は長野県松本市でした。今年の7月は中旬から連日猛暑が続いていましたので、長野の涼をわずかながら期待していましたが、汗の量は変わらず猛暑は全国共通でした。
学会初日は、加齢黄斑変性の一般口演や抗VEGF薬に関するシンポジウムのセッションを聴講し、治療抵抗例に対する対応など日々の診療で役に立つヒントを得ることができました。夕方には、同僚の冨田先生が【体位変換による眼血流の変化】についてポスター発表を行いました。多くの他大学の先生が興味を持たれ、盛んにディスカッションを繰り広げており、冨田先生も今後の研究に意欲を示していました。
夜は学会の懇親会にも参加し、信州サーモンや銘柄は忘れてしまったのですが米がよく磨かれた高級な日本酒を頂き、名物を堪能しました。著名な先生と話す機会や、幹事の信州大学による余興など大変有意義な時間を過ごすことができました。

2日目は私が、【補償光学カメラによる糖尿病網膜症の血管径の検討】について発表させていただきました。補償光学(Adaptive Optics :AO)とは天文学の分野の技術であり、それを眼底カメラに応用することで収差を軽減でき、血管や細胞をより詳細に観察することができます。近年は、OCT angiographyの台頭により、今回の学会もそれに関する発表が多かったですが、AOカメラがある施設は少ないため独自の研究ができるところが名古屋大学眼科のいいところでもあるか思います。口頭での発表は、緊張のためなかなか慣れませんが、質疑応答では内科の先生に興味を持っていただき、今後の研究の参考となる知見が得られました。


一般口演での私

議論を交わす冨田先生(奥)


シンポジウムでは寺崎教授による【EVERESTⅡ日本人サブグループにおける視力良好例の検討】、片岡先生による【OCT angiographyによる加齢黄斑変性の評価】、ランチョンセミナーでは伊藤准教授による【広角眼底撮影を活用したマルチモダルイメージング】の講演があり、多くの先生方の注目を集めていました。
2日間という短めの学会ではありましたが、多くのことを吸収することができ、今後の診療や研究に対して意欲を燃やす有意義な学会とすることができました。


片岡先生によるシンポジウム

伊藤先生によるランチョンセミナー


最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださり、発表のご指導をしていただいた寺崎教授や岩瀬講師、その他先生方にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。今後も研究に活かせるよう日々精進して参ります。