2017年4月6日から4日間、東京国際フォーラムにて行われた第121回日本眼科学会総会に参加させていただきました。日本の眼科界を牽引するアカデミアの先生方が分野問わず全国から集まるという学会ですが、恐れ多くもこの大舞台が初めての学会発表ということで、雑踏をすり抜けようやく着いた会場の大きさに比例し膨らむ高揚感と高まる緊張感を覚えました。
今回論じられるテーマは多岐にわたり、抄録を読んでも私の理解力を凌駕するものばかりだったので、自分の研究テーマやこれまで読んだ論文に関する内容なら何とかなるかもしれないと思い、数多くのシンポジウムや講演から拝聴するものを絞ることにしました。いずれも分子レベルで病態や薬物の作用機序が説明されており、普段なんとなく“障害されている”“効果がある”などと一言で片づけてしまうメカニズムに対する理解が深まることが純粋に嬉しく、研究に対するモチベーションが高まりました。
その他にも、トランスレーショナルリサーチ(基礎研究の成果を、診断・治療・予防の新技術へと発展させること)をトピックとした評議員指名講演では、加齢黄班変性・網膜色素変性症・糖尿病網膜症といった主要疾患に対する新しい病態解明が進み、既に治験が始まっているものも紹介されていて、基礎研究の可能性を再認識しました。
また、当教室の寺崎教授含め多くの女性の先生方が演者やオーガナイザーとして活躍なさっているのを拝見し、専門性を高めることの励みになりました。
発表に関しては、直前に同門の先生にプレゼンの極意をご教授いただいた後、同期とカフェにてぶつぶつ練習したのも功を奏したのか、無事終えることができました。また一つ糧になったと思います。
頭をフルに働かせた4日間で多くのことを学ばせていただきましたが、自分の知識不足により十分理解できていなかったり分野が偏ったりしてしまった部分もありました。今後より多くの内容を吸収できる土台をつくるためにも日々研鑽をつもうと思っております。
最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった寺崎教授、発表のご指導をしてくださった兼子先生・高山先生をはじめ、医局の先生方に心よりお礼申し上げます。