本論文では長期の血液透析後に夜盲症を発症した患者の臨床所見を検討しました。これらの患者の網膜電図では杆体応答が消失しており、最大応答は陰性型を示しましたが、錐体応答はある程度保たれていたことから杆体機能障害による夜盲症であることが示唆されました。採血を行った患者のほとんどはビタミンAが正常範囲でしたが、ビタミンAを投与した1名は夜盲症状と杆体応答が改善しており、長期の血液透析はビタミンAの欠乏による夜盲症と関連する可能性が考えられました。
Acquired night blindness due to rod dysfunction after long-term hemodialysis.
Ueno S, Okado S.
Jpn J Ophthalmol. 2021 Nov 6. doi: 10.1007/s10384-021-00883-z. Online ahead of print.