網膜色素変性は様々な原因遺伝子によって引き起こされ、原因遺伝子によってその重症度が異なることが知られている。原因遺伝子の一つであるRP1は劣性遺伝形式で進行の早い網膜変性を起こすとされている。本研究では新しく見つかったRP1遺伝子の変異(c.4052_4053ins328/p.Tyr1352Alafs*9)を持つ患者さんの眼科所見を高性能な眼底カメラを用いて検討した。本研究の結果では、この変異を持つ患者は視力低下を起こす時期が早く、既報の通り進行が早いことがわかった。また高精度眼底カメラを用いることにより、網膜の変性の過程と進行様式が詳細に検討でき、今後の治療の評価などに有用である可能性が示唆された。
Ueno S, Koyanagi Y, Kominami T, Ito Y, Kawano K, Nishiguchi KM, Rivolta C, Nakazawa T, Sonoda KH, Terasaki H.
Jpn J Ophthalmol. 2020 Jul 6. doi: 10.1007/s10384-020-00752-1. Online ahead of print.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32627106/