名古屋大眼科医局員の山田和久医師・兼子裕規講師の論文がTransl Vis Sci Technol. に掲載されました。
この論文では、無菌性炎症の経路の1つであるNLRP3インフラマソームを介して網膜色素上皮細胞(RPE)の細胞死を誘導すると言われているAlu RNAと、NLRP3インフラマソームを阻害すると言われている逆転写酵素である3TCを使用し、RPEにAlu RNAを付加した際に惹起される炎症を3TCで抑制できるか、また炎症によって引き起こされる老化を抑制できるかを検討しました。
Alu RNAによって上昇した炎症性サイトカインであるIL-18、IL-1βは3TCによって抑制され、Alu RNAによって亢進した細胞老化のマーカーであるp16INK4aの発現量も3TCによって抑制することを発見しました。このことからRPEにおいてAlu RNAによって惹起される炎症を3TCによって抑制することができ、同時に老化も抑制できる可能性が示唆されました。
Lamivudine Inhibits Alu RNA-induced Retinal Pigment Epithelium
Degeneration via Anti-inflammatory and Anti-senescence Activities.
Yamada K, Kaneko H, Shimizu H, Suzumura A, Namba R, Takayama K, Ito S,
Sugimoto M, Terasaki H.
Transl Vis Sci Technol. 2020 Jul 1;9(8):1. doi: 10.1167/tvst.9.8.1.
eCollection 2020 Jul.PMID: 32855848
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32855848/
名古屋大眼科医局員の山田和久医師・兼子裕規講師の論文がTransl Vis Sci Technol. に掲載されました
カテゴリー:更新案内 | 投稿日:2020年10月02日